第80回応用物理学会秋季学術講演会で発表

第80回応用物理学会秋季学術講演会で発表

2019.9.18~21、第80回応用物理学会秋季学術講演会で、宇治原 徹教授、田川 美穂准教授、原田 俊太講師、沓掛 健太郎客員准教授、石川晃平さん(D3)、角岡洋介さん(D3)、鷲見隼人さん(D2)、藤榮文博さん(D2)、小久保 信彦さん(D1)、沈 統さん(M2)、高石将輝さん(M1)、蜂谷涼太さん(M1)が発表しました。今回の会場は、北海道大学札幌キャンパスです。

発表内容は、次の通り

《論文奨励賞受賞記念講演》
小久保 信彦(D1)角岡 洋介(D3)、藤榮 文博(D2)、大原 淳士、恩田 正一、山田 永、清水 三聡、原田 俊太、田川 美穂、宇治原 徹

受賞記念講演 のようす (発表者/宇治原研究室 D1 小久保信彦)

III-V族窒化物結晶
2019年9月21日(土) 10:45~11:00 [21a-E310-7] (口頭講演)
“Determination of edge-component Burgers vector of threading dislocations in GaN crystal by using Raman mapping”

 

●沈 統(M2)、小林 竜大、石川 晃平(D3)、原田 俊太、宇治原 徹、田川 美穂
合同セッションM「フォノンエンジニアリング」
2019年9月19日(木) 10:00~10:15 [19a-E214-1] (口頭講演)
「水素挿入に伴う結晶性WO3薄膜の熱伝導率の変化」

私たちは、熱制御材料のうち、熱スイッチ材料の開発を試みています。本研究では、結晶HxWO3における構造変化と熱伝導率の関係を調べ、熱伝導率変化のメカニズム解明を試みました。XRDから、水素挿入に伴い monoclinic→orthorhombic→tetragonal B→tetragonal A→cubic と構造が変化していることがわかりました。Ramanから、tetragonal Aとcubicのピークが観察されました。熱伝導率から、Tetragonal、cubicと対称性の良い構造に変態するのに伴って、熱伝導率が増加していると考えられます。


●鷲見 隼人(D2)、太田 昇、関口 博史、原田 俊太、宇治原 徹、田川 美穂
12 有機分子・バイオエレクトロニクス
2019年9月20日(金) 09:45~10:00 [20a-E308-4] (口頭講演)
「X線小角散乱法と回転結晶法を用いたコロイド単結晶中の格子乱れの解析

ナノからマイクロメートルスケールの周期構造体は、その構造に起因して特異な物性を発現することが知られていますが、そのスケールの3次元構造評価は容易ではありません。
本研究では、メゾスケールの構造解析を得意とするX線小角散乱法と単結晶構造解析に用いられる回転結晶を合わせた手法を用いて、十数ナノメートルの周期を持つ、ナノ粒子のコロイド単結晶の3次元構造解析を行いました。


●蜂谷 涼太(M1)、沓掛 健太朗、原田 俊太、田川 美穂、宇治原 徹
合同セッションN「インフォマティクス応用」
19年9月20日(金) 10:30~10:45 [20a-B01-6] (口頭講演)
「AlGaN/GaN HEMTのIV特性に対する機械学習」

半導体デバイスの開発には、デバイスシミュレーションが活用されています。現状では多数の構造、物性パラメータの膨大な組み合わせから実験結果に一致する組み合わせを選択していますが、精度や根拠に課題があります。そこで我々は、調整パラメータを入力とした機械学習モデルを作成し、実験結果に一致するパラメータの組合せを統計的に求める方法を提案します。


小山 幸典、角岡 洋介(D3)、沓掛 健太朗、宇治原 徹
合同セッションN「インフォマティクス応用」
2019年9月20日(金) 10:00~10:15 [20a-B01-5] (口頭講演)
「SiC結晶成長シミュレーションのノンパラメトリック機械学習」

我々は、熱流体解析の結果を用いて溶液状態を推定する機械学習モデルの構築を進めており、溶液状態の表現次元を特異値分解により圧縮し、次元圧縮された溶液状態をプロセス条件の多項式でモデル化することで、プロセス条件から溶液状態を推定できることを示してきました。流体解析の非線形性をより精確に考慮できるノンパラメトリック回帰を用いることで、溶液状態の推定精度を大幅に向上させることに成功したので、これについて報告します。


●高石 将輝(M1)、小山 幸典、沓掛 健太朗、原田 俊太、田川 美穂、宇治原 徹
合同セッションN「インフォマティクス応用」
2019年9月20日(金) 09:45~10:00 [20a-B01-4] (口頭講演)
「SiC溶液成長における温度・流速の局所分布からの全体分布予測」

SiC溶液成長プロセスでは、溶液の温度や流れ分布の制御が結晶の高品質化に重要であり、溶液の熱流体解析が欠かせません。しかし、1回の熱流体解析は長時間を要するため、実験中に時々刻々と変化する溶液状態をリアルタイムに計算することは困難です。そこで本研究では、機械学習を活用し、ソフトセンサーのように、実験中に観測できる部分的な溶液状態をもとに、全体の溶液状態を予測することを目指しました。


穂積 祥太(M2)、沓掛 健太朗、松井 孝太、佐々木 拓生、宇治原 徹、竹内 一郎
合同セッションN「インフォマティクス応用」
2019年9月21日(土) 11:30~11:45 [21a-B01-10] (口頭講演)
「機械学習を用いたµビームX線回折マッピングの特徴領域の効率的推定」

同一試料内で物性の異なる領域を複数持つ試料において、少ない測定点数で試料表面上の領域分布を特定することは、材料評価法で共通の課題です。我々は、機械学習手法の一つであるLevel set estimation(LSE)[Gotovos 2013]を材料評価の領域特定に応用しており、これまでにシリコンウェハのライフタイム分布測定への応用を報告しました。
本研究では、放射光実験施設SPring-8でのµビームX線回折マッピングへの応用を報告します。多数のX線回折パターンから教師なし機械学習によって、SiGe薄膜試料の組成と配向を表す特徴量を抽出し(連続講演にて先に報告)、LSEによって特徴量が高い(低い)範囲を推定しました。

応用物理学会は、1946年に創立された「応用物理学」に関する学会で(2011年より公益社団法人)、春と秋に学術講演会を開いています。春季は約7,000名、秋季は約6,000名が参加し、4,000件におよぶ講演と活発な討論が行なわれます。
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